今回は4月8日に発売された週刊少年ジャンプ19号に掲載された「SAKAMOTO DAYS」の161話「サメ」について振り返っていきます。
重要なポイントに絞って解説したり感想を述べたりしていきます。
本記事は「SAKAMOTO DAYS」の最新161話までのネタバレを含むため、未読の方はご注意ください。
また、記事に使用する画像は「SAKAMOTO DAYS」の画像を引用しています。万が一問題がありましたら、お手数おかけしますが、お問い合わせフォームより権利者様からご連絡いただけると幸いです。
(©鈴木祐斗・集英社/「SAKAMOTO DAYS」)
前回までの話
9月18日から3日間開催される実在する名だたる殺し屋たちの全貌をまとめた大型企画展、「世紀の殺し屋展」
その展覧会には現殺連会長で有月憬の兄である麻樹栖が訪れようとしています。
・麻樹の暗殺を企てるスラー一派
・スラー一派を止めようとする坂本商店
・スラー一派を殺そうとするORDER
それぞれの思惑が入り乱れる世紀の殺し屋展がついに開幕しました。
これまでの流れを簡単に整理すると
①JCC編入試験後に鹿島が虎丸と真冬の体内に爆弾を仕掛ける
②加耳、坂本、シン、周の4人で世紀の殺し屋展へ向かう
③ウータンからの電話で坂本は別行動
④虎丸と真冬の発見
⑤シンVS真冬
⑥麻樹到着
⑦真冬VS大佛
⑧殺されそうだった真冬をブラコン夏生が助けて真冬の爆弾解除
⑨真冬から取り出した爆弾がスラーの手ほどきにより制止せず
シンが何とか外に放り出すが爆発により館内はパニックになる
⑩鮫島登場&シン、夏生、真冬、加耳の捕縛
⑪指名手配された虎丸を坂本がパパ活して助ける
⑫スラー一派ご来館
⑬南雲VS楽
⑭有月VS南雲
⑮シンVSハルマ
⑯神々廻&周VS熊埜御&キャロライナ・リーパー
といったようになっています。
そしてシンVSハルマの戦いが相打ちに終わった後、神々廻周タッグとキャロ熊埜御タッグの戦いに移り周の高いIQを活かしたサポートもあり、神々廻が無双したところで前回は終了となりました。
神々廻は何も言わない
周は父親である四ツ村暁が、今どこにいるのか、そしてなぜ母親の慈乃を殺してしまったのかを知るため14歳という若さでありながら、坂本商店についていき戦場に乗り込みました。
そしてとうとう周君は四ツ村さんの元同僚の神々廻を発見し、父親の事情について尋ねましたが帰ってきた答えは「四ツ村暁は俺が殺した」でした。
こういった身内の死のカミングアウトを受けた人は激昂する可能性も考えられますが、周君はその後も淡々と質問を続けるという14歳とは思えない冷静さを見せましたが、小さい頃に大切にしてもらった記憶が割り切る感情を持つことを許さず、父親がすでにこの世にはいないことに動揺を隠しきれません。
「なぜ四ツ村さんを殺したのか」
「四ツ村さんは一体何をしたのか」
「殺連の上層部から何か言われたのか」
など質問攻めしますが、神々廻は「言えない」の一点張りです。
四ツ村さんのありがたみ
四ツ村と神々廻がペアを組んでいた時の殺連は、天羽宗一前殺連会長やキンダカ、四ツ村暁などを含む現体制肯定派と現殺連会長の麻樹や慈乃などを含む現体制反対派に分かれていました。
そしてある日反対派が天羽宗一会長を暗殺し、会長殺しの罪を四ツ村さんに擦り付けることで四ツ村さんを追放することに成功しました。
そして四ツ村さんを始末しに駆り出されたのが、ペアとして活動していた神々廻でした。
神々廻は以前から反対派が会長暗殺を目論んでいるという話を四ツ村から直接聞いていたため、四ツ村パイセンは濡れ衣であると薄々感づいていたと思いますが四ツ村パイセンは神々廻に対し
「神々廻これ以上何も聞くな」
「教えたはずだ、敵を知りすぎるな」
とお前は何も気にせず言われた通り、仕事として俺を殺せばいいんだという神々廻に気を使わせない優しさを見せ二人はボコりあいを始めた、といった涙なしには見られないエピソードとなっていました。
殺し屋業界では
「情報は持っているだけで命を狙われることもあるからむやみに共有すべきではない」
とも作中で語られているため、四ツ村さんは神々廻に情報を渡さなかったといえます。
神々廻は薄々と感づいているとは思いますが周のことを想い不必要なことは言わないという判断をしたとき、四ツ村パイセンの行動のありがたみを感じたと読み取れます。
四ツ村さんは必死こいて口説き落とした妻の慈乃に裏切られ、しかも息子の目の前で妻を殺してしまったために家族は崩壊してしまいながらも、後輩を面倒ごとに巻き込まないよう配慮するという優しさを見せ、そして現在は何とか生き延びながらも生意気な後輩の南雲の犬になるという悲劇の父親となってしまっているため、周と再会を果たすという幸せを享受してもよいのではと思っています。
神々廻、倒れる
とここでガス切断機でキャロライナ・リーパーが周に奇襲を仕掛けてきたところ、神々廻は周をかばいましたがその際に深い傷を負ってしまい瀕死の状態になってしまいました。
この敵にやられて倒れる姿や床に寝そべっているところでさえも、どことなくかっこよさを感じさせておりやっぱり神々廻はイイ男だとわかります。
さらにキャロは
「暗い狭い部屋でなァ生きたまま細かく切り刻んでやる」ともう目がイッちゃってます。
サメのごとく登場する大佛
そしてこの2対1になった状況を見逃すまいと熊埜御も周に襲い掛かろうとした瞬間、今回の161話のサブタイトル「サメ」にもあるように大佛の武器の巨大な電ノコがサメのごとく登場し、キャロライナ・リーパーのいる地面をくり抜きます。
そして暗い狭い部屋で生きたまま細かく切り刻んでやると言っていたキャロが、暗い狭い部屋で生きたまま細かく切り刻まれてしまいミキサーにかけられた唐辛子になってしまいました。
というわけでキャロライナ・リーパーはさすがに亡くなってしまったと思うので、ご冥福をお祈り申し上げます。
そしてその穴から出てきたのは、デストロイヤーガールでした。
大佛は真冬と対峙した際助けに来た勢羽の透明スーツをお化けだと勘違いしてビビったのち、トイレに引きこもっていましたがこの引きこもっていたトイレは160話で神々廻の背後に映っていたトイレのようでした。
大佛、ガチギレ
大佛は真っ先に神々廻の元へ向かい
「かわいそう神々廻さん。ちょっと待っててねすぐ戻ってくるから死なないでね」
と普段は嘘をつきまくる大佛ですがこの言葉に嘘はないと、私の本能がそう言っています。
とここで普段は何を考えているかわからず大人しい大佛ですが、その場にいた周の首をわし掴みしもう完全に沸きあがってしまっていました。
この大佛の感情は何なのでしょうか?
それは「愛」です。
「愛」とは、人を慈しむ心、大切に想う気持ちのことで、絆、思いやり、尊敬、支援など様々な要素を含み様々な定義があります。
そして愛は家族や友情、恋愛関係、人間関係全般などさまざまな形で表現されます。
ここでは恋愛関係があるだのないだのと野暮なことを言っているのではありません。
あなたは人のために怒ることができますか?
あなたは人の痛みを自分の痛みに変換することができますか?
ただの仕事の関係かもしれない。
ただの殺し屋としてのペアかもしれない。
しかしともに時間を過ごすことで自然と芽生えてきた感情のままに我をも忘れてしまうほどの感情を表に出してしまう行動の結果、人はそれを、愛と呼ぶのです。
時には家族として、時には仲間として、時には同僚として、様々な形で愛を感じ取らせてくれるのが好きだから私は、ありがとうと言った。
リオン人格再登場
そして場面は有月と南雲と麻樹がいる特別収蔵庫へと移ります。
本来の目的である麻樹の暗殺を実行しに有月は特別収蔵庫に現れましたが、南雲が得意の変装で有月の背後から心臓を一突きしたところとなっていました。
有月には以前から赤尾リオンの人格が入っていることが確認されており、心臓を刺されたときにリオンの人格が登場しており今回も心臓を刺されたことでリオンの人格が表に出てきました。
南雲とリオンと坂本はJCC時代からの同期で、リオンは有月によって殺されましたが、四ツ村さんに依頼した調査のおかげで、リオンが生きている疑惑が南雲の中で出てきていたところ、とうとうここでリオンと南雲はスラー越しの再会を果たしました。
頬の傷
一つ気になるところがあります。
それは頬の傷です。
過去編を見てもリオンの頬に傷はついておらず、そして有月にも傷はついていないため、この傷は原作第130話の鹿島ボンバーの影響でついた可能性が高いです。
ただ世紀の殺し屋展での有月の頬には傷はなく、リオンの人格とともにこの傷が浮き上がってきていることに疑問が生じます。
リオンが坂本に10億もの懸賞金をかけた理由は明かされるのか、そして大佛&周VS熊埜御の2対1に持っていくことはできるのか、今後の展開に期待です。
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