【サカモトデイズ】175話のネタバレ感想解説、有月とリオンの空白の一年

SAKAMOTO DAYS

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7月22日に発売された週刊少年ジャンプ34号に掲載された「SAKAMOTO DAYS」の175話「業」について振り返っていきます。

重要なポイントに絞って解説したり感想を述べたりしていきます。

本記事は「SAKAMOTO DAYS」の最新175話までのネタバレを含むため、未読の方はご注意ください。
また、記事に使用する画像は「SAKAMOTO DAYS」の画像を引用しています。万が一問題がありましたら、お手数おかけしますが、お問い合わせフォームより権利者様からご連絡いただけると幸いです。
(©鈴木祐斗・集英社/「SAKAMOTO DAYS」)

前回までの話

世紀の殺し屋展編が幕を閉じたのち、死亡者やリストラが出てしまったORDERは、海外出張に行っていた沖さんがギャンブラーのトーレスとミュージシャンの七夕を新たに仲間に加えました。

一方の坂本商店の方は坂本が抹殺対象になってしまったため、家族を巻き込まないためにどうしようか迷っていましたが、最終的に坂本は殺連を乗っ取って坂本商店を全国チェーン展開するという、ビッグな目標に向かって突き進むこととなりました。

そしてスラー一派の方は、殺連の保有する武器製造工場で大規模テロを発生させ、篁スラーがやたらめったらころしまくっていましたが、赤尾リオン人格が何とか止めてくださいました。

そしてそのまま過去編で描かれなかった、有月とリオンが行方をくらました後の話が描かれています。

最初は裏切った有月をリオンがとっちめようとしていましたが、有月の「家族を救いたい」という気持ちにあてられリオンは有月の家族であるアルカマルのメンバーの解放に協力することになっていました。

そして二人は有月の仲間を解放するためあれやこれやと頑張っていたところ、麻樹が何か良からぬことを企んでいます。

有月は従わざるを得ない

©鈴木裕斗・集英社/「SAKAMOTO DAYS」

有月は麻樹に発見されてしまい言いなりにはもうなりたくありませんでしたが、「ある腕の立つ殺し屋の抹殺」をクリアできれば、アルカマルの仲間を解放してあげるという悪い顔をした麻樹の最後の任務を聞いてあげることにしました。

麻樹は自身が殺連会長の座につくために当時殺連会長だった天羽宗一のかわいい妻子である天羽藍と天羽このみちゃんを弟の有月にころさせようとする鬼畜です。

そのためこの最後の任務も怪しい匂いがするとは思いますが、有月はリオンに殺してほしくないとは言いつつ結局リオンの殺しで稼いだお金を当てにするという甘っちょろい言動をとっており、有月自身もリオンにばかり負担をかけてしまっているという申し訳なさからこの悪い顔の麻樹の誘惑にかかってしまいます。

このときの有月は善人で「誰かの迷惑になっている」という気持ちがつらかったと考えられるためしょうがないです。

リオンの優しさ

そして一方のリオンは、これまではころしまくってお金を稼いでいましたが有月に「君に死んでほしくないそして誰も殺さないでほしい」という思わずデレてしまうほどの優しい言葉が効き、リオンは次の依頼を最後にしようとしています。

それは大手一流企業のご令嬢を安全な場所へ護送する任務でした。

正直リオンは今回の任務を最後にするのではなく、すぐにきっぱりやめればいいのではとも思いましたが任務の内容を聞き

「14歳の何も知らないかわいそうな子どもが企業間紛争という大人のきっしょいいざこざに巻き込まれている」

と知りこの子どもをほっとけないと思ったのでしょう。

どこか昌と重ね合わせた部分もあると思いますし、リオンの根っこは優しさであふれているともわかります。

フード対決

©鈴木裕斗・集英社/「SAKAMOTO DAYS」

そしてその任務にリオンは出動しワンボックスカーで移動しますが、途中で予定のルートと違うルートで社長の命令で進むこととなり不穏な空気が漂います。

そして急遽車のタイヤを狙われ、そこから一気にフードを被った人物とリオンは戦うことになります。

かなり俊敏な相手の動きにリオンは驚きますが、リオンには昌同様殺しまでのルートが見えるだけでなく原作第110話で言われているように、リオンは目が異常なほど良いといわれているため敵の攻撃を華麗にかわすことができています。

敵の正体は有月

©鈴木裕斗・集英社/「SAKAMOTO DAYS」

しかしふとよぎります。

「この武器どこかでみたことあるぞ」と。

そうなんです。

相手が所持していた武器は普段有月が使用している刃圏が12メートル以上もある鋼鉄の鞭でした。

ここでリオンは相手のフードを破り素顔を見るとやはり相手の正体は有月でその事実に驚いている隙に有月の素早い動きにやられてしまいました。

まずリオンクラスの殺し屋が素早いと感じるほど有月のスピードはかなりのものだとわかりました。

原作第52話での坂本とのバトルでも有月は瞬間移動したかのように見えるほどスピードには定評があります。

リオンの目の良さ

©鈴木裕斗・集英社/「SAKAMOTO DAYS」

そしてこの悲劇はリオンの動体視力の良さが仇となってしまったといえます。

リオンが有月のフードを破った際、リオンは圧倒的な目の良さで瞬時に有月であることに気づき動きを止めてしまいました。

ただ有月目線ではリオンはフードを被ったままなので気づきようがなくリオンの動きが止まったときにやってしまいました。

もしリオンがワンテンポ気づくのが遅ければ、こんなことにはならなかったためリオンの目の良さが仇となってしまったといえます。

リオンの最期

©鈴木裕斗・集英社/「SAKAMOTO DAYS」

こうして有月はターゲットの正体がリオンであることに気づき涙が止まりません。

リオンは「やんじゃん、陰キャくん」と言っていますが、これまでの坂本南雲リオン有月の4人で行った任務での様子を見るにリオン目線からすると有月はまったく活躍しておらず、一緒に逃避行を始めてからは甘っちょろいことばかり言いやがっていたので、今回の有月の動きを見てその実力に驚いたのだといえます。

そして今際の際にて残したリオンの言葉は

ごめんな憬。全部守ってやりたかった、優しい人が優しくいられるように

でした。

これは前回リオンが言っていたように

有月や昌のような優しい人たちが優しいままでいられるように自分が手を汚せばいい

という考えがありましたが結局それは叶わなかったため謝ったのだといえます。

前からリオンは大切なもののためなら自分の心を殺すのも厭わないなど、誰かのためなら自分の手を汚すという考えを常に持っており、今回もそのブレない徹底した考えを持っていることがわかります。

今回の話でもあったように「世界は全員に優しく作られていない」や心優しき豹が真っ先に死んでしまったように「この世界は才能がないやつよりもいい奴から先に死んでいく」などサカモトデイズの世界では優しいやつほど損してしまうという厳しさが示されているといえます。

麻樹、げすい

そして畜生の麻樹が登場し、下衆い笑みを浮かべながら有月を絶望の淵へと追い込みました。

そもそも今回のリオンの任務ですが、社長からの命令でルートを変更したとあったため最初から社長と麻樹がつながっていたとも考えられます。

つまり麻樹は最初から有月にリオンを殺させるというシナリオを描き、まんまとそのシナリオ通りの結末になったということです。

有月は壊したい

©鈴木裕斗・集英社/「SAKAMOTO DAYS」

こうして過去編ラストの原作第120話の坂本が登場したシーンへとつながっています。

120話では有月は坂本とド迫力バトルを繰り広げていましたが、有月はもうこの時点で死にたいと考えておりあえて坂本に抵抗して自分を敵に見せ、確実に坂本に殺されようとしたからこそ坂本と戦闘を開始したのだと考えられます。

そうして皆さんご存知の通り、坂本は有月の心臓を撃ちぬき殺したと思われましたが有月は「内臓逆位」といって、心臓が左にある珍しい症状を患っていたため有月は不本意ながら奇跡的に助かりました。

ただこのあと誰も血みどろの有月を助けてくれる人などおらず、この世界を諦めました。

有月は激しいストレスや衝撃的な体験の反復をすると、耐えがたい苦痛を引き受けるため別の人格が形成されることがあるとされており、現在有月の中にはリオンの人格が確認されていますがどのタイミングでリオンの人格が形成されたのでしょうか。

明確な描写がありませんが、ここの誰も助けてくれないという現実世界に嘆いたタイミングで形成されたと予想します。

アルカマル襲撃事件

©鈴木裕斗・集英社/「SAKAMOTO DAYS」

こうしてこの世界の醜さひどさキモさに嫌気がさしたため、有月の「世界を自然な形に戻したい」という目的が生まれ、早速有月は手始めに不幸の元凶であるアルカマルへと出向き見境なく殺連の職員をぶちころしアルカマルをつぶしました。

この襲撃事件こそが、原作第104話で語られていたアルカマル襲撃事件のことだと思われ、この事件がきっかけでアルカマルは廃校になったのでしょう。

一人称

©鈴木裕斗・集英社/「SAKAMOTO DAYS」

またこの有月の「俺」という文字に圏点がついており、これは有月のこれまでの一人称が「僕」だったのが「俺」に変わったことを強調しており、これまでの甘っちょろい考えの自分を捨て新しい自分をスタートさせたことを示していると考えられます。

個人的にはこれまで「俺」と名乗っていた有月は、有月が乗っ取った誰かの人格のことかと思っていましたが特定の誰かを乗っ取ったわけではなく普通に凶悪な人格になった、もしくは形成されたのだと予想します。

牛頭と天弓の登場

©鈴木裕斗・集英社/「SAKAMOTO DAYS」

またさらにこれまで明かされていなかった牛頭と天弓の素顔が少しですが公開されました。

牛頭は褐色系のたれ目で、天弓は箱を被っています。

なんというか天弓は上終と同じようなにおいがします。

こうして有月を含めたスラー一派は、有月のただこの世界を壊したいという気持ちに賛同し、あらゆるものを壊す活動を開始しました。

ちなみに有月がスラーと呼ばれる理由は、有月が現場に必ず「☓」の文字を残すため殺連側がそう呼んでいます。

ラストのコマに「×」の文字が書かれてあるように、全てを壊すという意味で×なのだとわかります。

というわけで有月とリオンの謎がついに明かされ、牛頭と天弓もついに登場したため目が離せません。

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たなかっぱ

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